『鬼イチャン』作/浦野すず

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『鬼イチャン』作/浦野すず

『鬼イチャン』作/浦野すず

こうの史代(2008)『この世界の片隅に 上』双葉社. p33), p51)

子供のすずにとって自らをいじめる存在であり、ある意味家父長制の象徴でもある「鬼イチャン」。自ら吐いた炎( = 戦争)で自滅と思いきや(秋、冬、春と)1年も経たずに復活しビル群( = 現代)に生き続ける、という内容。

『この世界の片隅に』は戦争を背景にした物語であるが、その戦争は男達が起こしたもの。女性であるすず達はこの家父長制の下、戦争以外でも苦しめられてきた。

  • すずは嫁ぎ先を勝手に決められ、嫁ぎ先では無償の労働力として使われ。
  • リンは実の親に売られ。

そして(『鬼イチャン』で描かれた通り)家父長制は、戦争に敗れた結果息絶えたように思われがちだが、根強く残っているのだ。現代に

それからもう一つ、この『鬼イチャン』で描かれる内容が示唆するものがある。それは「第20回(19年11月)」を読み解くことで明らかになる。お楽しみに。


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  • 更新履歴
    • 2022/02/08 – v1.0
    • 2023/03/13 – v1.0.1(「第20回(19年11月)」「次へ進む」のリンクを追加)
    • 2023/08/06 – v1.0.2(誤字修正)
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