黒村家
扉ページの径子の隣の柱に「キンヤ」「ケイコ」という文字
こうの史代(2008)『この世界の片隅に 中』双葉社. p3)
初めて明らかにされる径子の夫の名前。
径子が久夫と別れる時点では舅は義足ではない
こうの史代(2008)『この世界の片隅に 中』双葉社. p3)
そもそも第23回 20年正月に登場する義足の爺さんは舅ではないらしい。
最初のコマの右端の柱
こうの史代(2008)『この世界の片隅に 中』双葉社. p4)
久夫の18年5月と晴美の19年5月がほぼ同じなので、1歳違いと推定できる。
「ほいでも久夫を」
こうの史代(2008)『この世界の片隅に 中』双葉社. p4)
久夫=夫と会えなくなって久しい。
北條家
着物の模様が「小姑」
こうの史代(2008)『この世界の片隅に 中』双葉社. p3)
右上のコマで、洗濯の残り水をバケツに戻している
こうの史代(2008)『この世界の片隅に 中』双葉社. p5)
水は貴重。
スケッチブックを懐に隠して畑に向かう
こうの史代(2008)『この世界の片隅に 中』双葉社. p5)
嫁として働く中でサボって絵を描いていると思われたくなかったのだろう。p10)のサンの台詞「熱中すりゃすぐ 周りが目に入ら んくなる子」から推測するに、すずは北條家に来て以降これまでの間で、絵を描いていてなにか失敗をしたのかもしれない。
「ほんま ですねえ…」
こうの史代(2008)『この世界の片隅に 中』双葉社. p10)
このコマですずに手をかけているのはサン。次の第13回で貴重な砂糖を全損したすずに闇市で買うようにとへそくりまで提供する優しい振る舞いは、第9回で培われたすずとサンの関係性がなければ成立しない。それを直前のこの回で読者に再確認させている。
憲兵にスケッチブックを持ち去らせる意味は
「この女の夫は軍法会議の 下っぱ録事じゃげなの」
こうの史代(2008)『この世界の片隅に 中』双葉社. p7)
憲兵はすずが誰か初めから知っている(じゃげなの=だからな)。憲兵は陸軍所属。海軍の街である呉で海軍側の人間に嫌がらせ的にちょっかいを出しているのだが、本気ではない(違う組織同士、本気で事を構えると面倒な事になりかねないから)。
「ミテタら 勝手に出して 使うたらええ」
こうの史代(2008)『この世界の片隅に 中』双葉社. p9)
2コマかけて抽出しの中を見せ、渡した帳面を使い切ったら勝手に抽出しから(新しいのを)出してよいと周作に言わせているのは、抽出しを開ける正当な理由を作るため。夫とはいえ他人の机の抽出しを勝手に開けるような事はしないのが(今時のそれとは違うのかもしれないが)普通の感覚。
スケッチブックが憲兵に持ち去られる
こうの史代(2008)『この世界の片隅に 中』双葉社. p8)
スケッチブックが周作からの小さいものに(追加ではなく)入れ替わる事を明示。それにより、抽斗を開ける許可を与えるだけでなく、すずさんがプロパガンダに乗っけられっぱなしのボーッとした人ではない事を象徴的に示す為か、政府の手先たる憲兵に楠公飯のレシピを描いたスケッチブックを取り上げさせるという…こうの史代先生のキツイ皮肉…
- 更新履歴
- 2022/03/02 – v1.0
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