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In this corner of the world
第43回 水鳥の青葉(20年12月)
どれだけ泣いたのか 下段左のコマで、隣保館の傍で思わず立ち止まる刈谷 こうの史代(2009)『この世界の片隅に 下』双葉社. p121) 息子と思われる「兵隊さん」が絶命していた場所。刈谷の右袖部分だけ着物の柄が違う。どれだけ泣いたのか。 「あの子の友... -
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第42回 晴れそめの径(20年11月)
記憶の切れ端 包み紙だけ本物 こうの史代(2009)『この世界の片隅に 下』双葉社. p113) 「第41回 りんどうの秘密(20年10月)」に引き続き「記憶」を描き続ける右手。「第40回(20年9月)」で届いたのだろう手紙を読む刈谷も描かれている。板チョコは包み... -
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第41回 りんどうの秘密(20年10月)
リンとすずは同い年 中段左のコマで、酒代として4円で売られたリン こうの史代(2009)『この世界の片隅に 下』双葉社. p106) 芋のとれる秋、リンは売られた。 「第16回(19年9月)」によれば、母が出産で亡くなり、赤子の面倒をみるため小学校に行けなく... -
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第40回(20年9月)
小林夫妻 「無理せん ようにねえ」「わしが直せりゃ ええんじゃが… 広島から戻って ずっとだるうて のう」 こうの史代(2009)『この世界の片隅に 下』双葉社. p97) 小林夫妻はともに広島に入ったのか、2人とも具合が悪い模様。 逃亡準備中の周作 「逃亡じ... -
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第39回(20年8月)
運動が物凄く苦手な周作 「明日海兵団で 剣道大会を やるらしうて」 こうの史代(2009)『この世界の片隅に 下』双葉社. p88) 明日は1945(昭和20)年8月15日水曜日。玉音放送が予定されていることは前日には連絡されていたのではと思うが…そんな日にあえ... -
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第38回(20年8月)
すずを気遣うサンと径子 「汽車は小屋浦で 折り返しよるげな」 こうの史代(2009)『この世界の片隅に 下』双葉社. p79) 汽車が広島の手前で折り返し運転になってしまったので、すずはこの日(20年8月6日)予定していた広島行きを諦めた。 「すずさん家は ... -
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第37回(20年8月)
本当に広島へ帰ることに 右下から2段目のコマで、これで会えなくなるとすずを見つめる周作 こうの史代(2009)『この世界の片隅に 下』双葉社. p71) 目をそらすすず。 広島へ帰るということで、外的要因によって「それしか選択肢がなく、余儀なくされてい... -
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第36回(20年7月)
特攻基地 扉の地図に、音戸の特攻基地が示されている こうの史代(2009)『この世界の片隅に 下』双葉社. p63) この地図で斜線で示されているのは 呉の海軍施設 江田島の海軍兵学校 そして音戸の特攻基地。 前者2つは作中で言及がある。実は音戸の特攻基地... -
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第35回(20年7月)
仕掛けだらけの独白 「昨日 ない事を思い知った右手」 こうの史代(2009)『この世界の片隅に 下』双葉社. p56) p60)ですみが「こないだは うちからも こっちの空がまっ赤 なんが見えたよ」と言っていて「昨日」「一昨日」とは言っていないことから(7月1... -
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第34回(20年7月)
すずの望み 「この家は まだ焼けない」 こうの史代(2009)『この世界の片隅に 下』双葉社. p45) この頁のコマはどれも(寝ているか、もしくは起き上がった)すずからの視点。そして「この家は まだ焼けない」のコマは前回「第33回(20年6月)」p44)の「家...