第44回 人待ちの街(21年1月)

The view from Mt. Haigamine

千鶴子

「もう手え 痛うないん?」

こうの史代(2009)『この世界の片隅に 下』双葉社. p129)

この時千鶴子は12歳。千羽鶴を折り続けた(原爆の子の像のモデルでもある)佐々木禎子が亡くなったのも12歳。

変わらないもの、変わってしまったもの

着物は変わらない

こうの史代(2009)『この世界の片隅に 下』双葉社. p129)

すずの上着は嫁入りの時の上着と同じ、すみの寝間着は「第6回(19年3月)」のすずの帰省時と同じ

「治るよ / 治らんと おかしいよ」

こうの史代(2009)『この世界の片隅に 下』双葉社. p130)

天井にあった筈の電灯(左から2つ目の桟の奥から3つ目と4つ目の天井板の境目辺り)がない。焼夷弾対策で天井板を外した時に撤去したのだろうか。

「お父ちゃんは 十月に倒れてすぐ 死んでしもうた」

こうの史代(2009)『この世界の片隅に 下』双葉社. p131)

『夕凪の街 桜の国』の「霞姉ちゃん」が倒れたのはあの日から2ヶ月後、つまり1945(昭和20)年10月。

中段のコマで、すみの左腕に内出血がみられる

こうの史代(2009)『この世界の片隅に 下』双葉社. p131)

放射線曝露による特徴的な症状の一つ。

上段のコマは、「第6回(19年3月)」上巻p102)のコマと同じ構図、同じ見開き上の位置で、描かれている建物とすずの姿が違う

こうの史代(2009)『この世界の片隅に 下』双葉社. p136)

すずの羽織は同じ。

上巻はコマが閉じているが、下巻は断ち切りという違いもある。

上段のコマは、「第6回(19年3月)」上巻p104)のコマと同じ構図、同じ見開き上の位置で、描かれている(無くなっている)建物とすずの姿が違う

こうの史代(2009)『この世界の片隅に 下』双葉社. p140)

上巻はコマが閉じているが、下巻は断ち切りという違いもある。

第6回(19年3月)」と同じ構図が繰り返されているのは、次回「最終回 しあはせの手紙(21年1月)」を読み進めるにあたり、「第6回(19年3月)」を思い出して貰う為だろう。

繰り返される構図、繰り返される疑問点

「みな無事 じゃったんじゃね」

こうの史代(2009)『この世界の片隅に 下』双葉社. p129)

すずは草津の皆の消息を知らなかった。

  • 第40回(20年9月)」では、すみが「草津」から葉書を送った筈なのに。
  • そしてきっとすずは「草津」からの葉書が読めないので内容を確認する葉書をすみに送ったに違いないのに。

上段のコマの、障子のように見えるものは海苔干し台。「波のうさぎ(13年2月)」や「第1回(18年12月)」冒頭と似た構図が繰り返されている。

「知らせるひまが 無うてごめんね」

こうの史代(2009)『この世界の片隅に 下』双葉社. p131)

ひまがなかったのではない。知らせる気になれなかったのだ。

  • そうだとすると
    • 第40回(20年9月)」ですずに届いた葉書もすみが出したのではないのだろうし
    • そしてこの、すずに対するすみの気持ちの変化は、下記「鬼イチヤン冒險記①」で(すみが)すずに見せた態度にも表れているのだ。

繰り返される期待と落胆

左下の、江波の浦野家に向かうコマ

こうの史代(2009)『この世界の片隅に 下』双葉社. p133)

第1回(18年12月)」上巻p61)左上の、水原と別れて浦野家に向かうコマと同じ構図だが、左手で描かれている。2年前のように行く先の浦野家にキセノがいればと期待して。

  • そういう風に頭の中で思い描いていたので
    • p134)「お / お母ちゃん!?」と思わず間違えてしまったのだ。
    • 下記「鬼イチヤン冒險記②」で触れるが
      • (リンを思い描いていたので)誰かの後ろ姿をリンと人間違いしたように。

畑にトタン板風のものを雨よけのようにしてあるのは、誰かがそこで雨露をしのいでいるのかもしれない。三兄妹に浦野家を譲っているということだろうか。

コマの下の方の家の屋根の上に、上巻p61)にはなかった丸い物の一部が見えているが、屋根が飛ばないための石の重しだろうか?

「スイマセン」「スイマセン」「スイマセン」

こうの史代(2009)『この世界の片隅に 下』双葉社. p134)

すずの視点ではどう見えていたのか。しかし三兄妹(浦野家の三兄妹と同じ構成)の視点で見れば、もしかすると自分たちを探しに来た誰かだという期待が一瞬あったのだろう。(誰も自分達を探しておらず、すずも三兄妹を助けなかったことで)その期待が落胆に変わったことが、この「スイマセン」という感情のこもらないカタカナ書きに表されている。

江波の浦野家にいた三兄妹

こうの史代(2009)『この世界の片隅に 下』双葉社. p134)

三兄妹の構成が浦野家の三兄妹と同じ構成である事に加えて、道ばたの死体に手を合わせない、兄(本当はリン)が死んでよかったと思っている自分を「歪んどる」と認識した筈のすずは、そう反省するなら手をさしのべても(持ち合わせの握り飯をわけるとかしても)よさそうなものなのに、実際には三兄妹を放置した。しかもその直後には別の孤児を拾っている。両者の違いは何か。(「冬の記憶(9年1月)」の「『家族』とは何か」に続く)

繰り返される「人間違い / ひとまちがい」

「あんた 確か 太田さん……!」

こうの史代(2009)『この世界の片隅に 下』双葉社. p136)

下記「凝った演出をした周作だったが…」で触れる

  • 周作がすずとデートする為に『(帳面を)急ぎでもないのに ワザと持って 来さした」のは「第15回(19年9月)」である。

つまりここで読者に『夕凪の街 桜の国』を想起させることで

  • 第15回(19年9月)」で触れているように、『夕凪の街 桜の国』と『この世界の片隅に』は、「むこうのことば」 = 「無効の言葉」で繋がっていること
  • そこからこの「第44回 人待ちの街(21年1月)」を振り返って、下記の通り、周作が「第15回(19年9月)」と同様に(つまり繰り返しだ…)凝った演出をしたということ

という2つの仕掛けに気づかせるため、ここで「太田さん = 『夕凪の街 桜の国』の太田京花の(たぶん)母親」を登場させたのだ。

  • そのことに気づいて貰う為か、他の呼びかけはカタカナなのに、太田さんだけは漢字だ。
    • (通常、読者に気づいて貰いたい仕掛けの部分をカタカナにしてあることが多いが、ここでは逆なのも興味深く)

「初めて会うたんは ここじゃ」

こうの史代(2009)『この世界の片隅に 下』双葉社. p138)

p138)右上のコマで、原爆で傾いた相生橋の欄干は橋の南側にあった。

  • なので、このコマは相生橋の南側(下掲絵葉書では左側)からの構図ということになる。
    • 冬の記憶(9年1月)」上巻p15)と同じ構図、同じ舟の位置、櫓の向きまで同じだが、舟の帆は継ぎだらけに変わっている。
  • 同じ構図なのであるが、「冬の記憶(9年1月)」上巻p15)では南(手前)側にあった歩行者用の橋(下掲絵葉書の左側の木造橋脚の橋)は(原爆投下以前に)撤去されている。
    • その撤去された橋こそ、「冬の記憶(9年1月)」上巻p15)ですずと周作が別れた(…と周作が勝手に思い込んでいる)
      • つまり周作が「初めて会うたんは ここじゃ」と言っているp138)の橋は、「冬の記憶(9年1月)」上巻p15)でいうと
        • すずと周作が別れた(…と周作が勝手に思い込んでいる)(※上記の撤去された橋)ではなく
        • それよりも奥の方に薄く描かれている橋(下掲絵葉書の中央やや奥の橋)なのである
      • だからそもそも周作の「ここじゃ」という説明からして間違っていた。
    • そして後述のとおり、(その周作の勝手な思い込みであるところの)「初めて会うたんは」も間違っていた…
「(廣島)相生橋及び丁字橋」1932(昭和7)年に現在の場所に道路軌道併用の鉄鋼橋が完成し、慈仙寺鼻と新しい相生橋の間をつなぐ橋が架けられH字型となった時期の絵はがき。昭和(戦前)期発行。 ※左側の木造橋脚の橋がこの後撤去される。
「(廣島)相生橋及び丁字橋」1932(昭和7)年に現在の場所に道路軌道併用の鉄鋼橋が完成し、慈仙寺鼻と新しい相生橋の間をつなぐ橋が架けられH字型となった時期の絵葉書。昭和(戦前)期発行。 ※左側の木造橋脚の橋がこの後撤去される。
(出典)広島市 | Web展示会「絵はがきからたどる広島あの頃-市街中心部-」https://www.city.hiroshima.lg.jp/soshiki/5/194007.html

「変わり続けて 行くんじゃろうが / わしは すずさんは いつでも すぐわかる / ここへほくろが あるけえ すぐわかるで」

こうの史代(2009)『この世界の片隅に 下』双葉社. p138)

と言う周作は、「第1回(18年12月)」上巻p64)で18歳のすずを見ても気づかなかった。他方すずは「初めて会うたんは ここじゃ」と言われ、そんな記憶がない事から自分が「人間違い / ひとまちがい」されたのだと改めて確信した。

「周作さん / ありがとう / この世界の片隅に / うちを見つけて くれて ありがとう 周作さん」

こうの史代(2009)『この世界の片隅に 下』双葉社. p140)

すずとしては、「人間違い / ひとまちがい」だと確信はしたが、だからさようならというわけにもいかないので「見つけてくれてありがとう」とでも言うしかない。

  • 昔出会った少女を見つけたと思っている周作が聞いても違和感がないし
  • かつ、人間違いの別人とはいえ、見つけたということ自体は間違いではない

すずの表情が微妙(というか何となくがっかりしているようにも)なのは(下記「鬼イチヤン冒險記」で説明する通り)そのせいだけではないのだが。

そしてこの回の副題「人待ちの街」は「ひとまちがい(人待ち街)」。

  • 「街」を「がい」と読むのがポイント。
  • なのでやたらと皆が人間違いをするのだ。街の人達だけではなく周作もすずも。

また「第13回(19年8月)」で読み解いたとおり『この世界の片隅に』はこの作品名それ自体が暗号になっていて

  • その意味するところは
    • 「『冬の記憶(9年1月)』は 0 、つまり存在しない」だった。
      • これを周作に向けて語り掛けているのだから
        • 「周作さん、在りもしない冬の記憶』で、うちを見つけてくれてありがとう(※人間違い / ひとまちがい(人待ち街)だけど)」
      • という皮肉になっているのだ。

これまでに見てきた周作による非道な仕打ちの数々(例えば「第25回(20年2月)」や「第31回(20年5月)」を参照のこと)を踏まえれば、無理もないところだ…

鉛筆ふたたび

こうの史代(2009)『この世界の片隅に 下』双葉社. p130)

この鉛筆、「波のうさぎ(13年2月)」ですずが失くした鉛筆によく似ている。

  • しかし、上巻p37)「みじかーーー」では親指で「ノ」が隠されているが、こちらは隠されていない。
    • この回の副題「人街ちの街」も、だから隠されるべき「ノ = の」が隠されていないので
    • その秘められた意味を知るにはこの副題の「ノ = の」を隠さなくてはいけないということだ。
      • つまり「みじかーーー」くしてね、と。
  • それだけではない。この鉛筆自体に「ノ = の」を取る(トル)ようにという指示が埋め込まれている
    • 鉛筆の名前部分をよく見て欲しい。
    • 上巻p37)「みじかーーー」の鉛筆とくらべるとよく判るが
STEP
「ウラノ」の「ウ」の上部が、何故か欠けている
「鉛筆の名前部分」こうの史代(2009)『この世界の片隅に 下』双葉社. p130)より引用
「鉛筆の名前部分」こうの史代(2009)『この世界の片隅に 下』双葉社. p130)より引用
STEP
これを鏡に映してみる
「鉛筆の名前部分の鏡像」こうの史代(2009)『この世界の片隅に 下』双葉社. p130)より引用(左右反転加工)
「鉛筆の名前部分の鏡像」こうの史代(2009)『この世界の片隅に 下』双葉社. p130)より引用(左右反転加工)
STEP
着目すべき部分を赤で強調すると
「隠された文字」こうの史代(2009)『この世界の片隅に 下』双葉社. p130)より引用(左右反転加工し一部強調)
「隠された文字」こうの史代(2009)『この世界の片隅に 下』双葉社. p130)より引用(左右反転加工し一部強調)
STEP
おわかりだろうか…文字だけにしてみる
「文字のみ抽出」こうの史代(2009)『この世界の片隅に 下』双葉社. p130)より引用(左右反転加工し一部抽出)
「文字のみ抽出」こうの史代(2009)『この世界の片隅に 下』双葉社. p130)より引用(左右反転加工し一部抽出)
  • なんと「トルノ」
    • つまり「ノ」を「トル」
    • この回の副題「人街ちの街」から「ノ = の」を取る(トル)ように
  • という指示が埋め込まれているのだ。
  • そして、実は「右手」の正体を理解する上でも「鏡」が必要。
    • Step2で鏡を使ってこの埋め込まれた指示を見つけ出すように仕組まれているのは、その予行演習という位置付けなのだろう。

凝った演出をした周作だったが…

「同じような 黒い服 じゃった けえ…」

こうの史代(2009)『この世界の片隅に 下』双葉社. p140)

第31回(20年5月)」p23)で「三月も会わん かったら周作さんの顔を 忘れてしまう」という予告をした通り(この日と見送った日を除けば正確に3ヶ月(93日)!)周作を忘れ(て間違え)るすず。「同じような黒い服」でも間違える。ましてやほくろだけでは当然間違える。

すずは ‘ばけもん’ を知らない(「冬の記憶(9年1月)」と同じように黒い服の裾を掴んでも思い出さないのだから、知らないのだ)が、周作は知っている。しかし単に少年の頃の人さらいが現れたというだけにしては、周作の反応が尋常でない。

「待ったか? / 心配かけたのう」

こうの史代(2009)『この世界の片隅に 下』双葉社. p137)

と周作がすずに声をかけているので、この日は周作がすずを待たせていたようだ。

  • なお、すずがp137)「………ええ 待ちました / よう…… よう ご無事で」と返事しているが
    • この返事は「すずが周作を心配するあまり一刻も早く会いたくて広島まで飛んで来た事を表している」というよりも
    • 第41回 りんどうの秘密(20年10月)」p108)「周作さん こそ / 絶対戻って 来て下さいね」で触れた通り
      • 周作がすず達に「もしかすると戻って来れないかもしれない」的な事迄言って心配させていたので、(あまり不安そうには見えないのにな、とすずは訝りながらも一応心配する妻を演じたその続きとして)このように言っているのであろう。

それはともかくとして

すずとデートする為に「(帳面を)急ぎでもないのに ワザと持って 来さした」周作である。3ヶ月ぶりの再会にあわせて、すずに思い出して貰おうと、周作は(直接呉に戻れば良いものを)

  • 敢えて約束の場所を夕方の相生橋に設定し
    • (森田マリナがp133)「約束は夕方じゃろ?」と言っている)
    • (そして「冬の記憶」の舞台は上巻p11「夜がくる前」だからこれも夕方の相生橋だ)
  • 更に ‘ばけもん’ を手配した(雇った)のだ。
    • 勿論すずの呉〜広島の切符か切符代も
    • そうすればすずがすみを見舞うことも出来ると気遣って。
  • p140)「すみません」と頭を下げて詫びるすずの相手のすね毛が見えるが、ごく普通の人間のそれである。
    • つまり右隣のコマですずが左手で持つ相手の手はいかにも ‘ばけもん’ 風の爪付き毛むくじゃらであるが
    • これも周作が( ‘ばけもん’ をよりリアルに演出しようと)どこかで手に入れてきた獣風の手袋のようなものを ‘ばけもん’ 役として雇った人につけさせたのだろう。

…という風に凝った演出をしたのだが。

下記「鬼イチヤン冒險記③」で隠された展開に引き続き、(想定した以上にバッチリ再現(?)されたのに)すずが全く思い出さない(すずは知らないのだから当たり前だが)様子を目の当たりにして、周作も(「あっ あんた」と自分もされたように)自分が「人間違い / ひとまちがい(人待ち街)」をしたと漸く気づいて焦っているのだろう。冴えんねえ。

これもまた「第18回(19年10月)」中巻p58)「知らんでええことか どうかは 知ってしまうまで 判らん」こと。

鬼イチヤン冒險記

「ううん 早う来んで えかったよ / ……見て すずちゃん / うち こんなしみが 出来てしもうて / 治るかねえ? / すずちゃん うち 治るかねえ?」「治るよ / 治らんと おかしいよ」

こうの史代(2009)『この世界の片隅に 下』双葉社. p131)

すみは「早う来んで えかったよ」と言っているのだから、「こんなしみ」が治らないことを知っている。そして、すずも治らないだろうと思っている。だからこの遣り取りもまた「嘘」だ。

そして、次頁から突然登場する鬼イチヤン冒險記は、実は、①②③それぞれが配されている頁に本来描かれているものを隠す、という役割を果たしている。

  • 隠されている、本来描かれているものは
    • 鬼イチヤン冒險記①では、すみを励まそうと「嘘」をついた後のすずと彼女(すみ)との遣り取り
    • 鬼イチヤン冒險記②では、江波の浦野家に居た三兄妹を置き去りにした後のすずの呟き
    • 鬼イチヤン冒險記③では、自分(すず)が人間違いであることを周作に告げる様子
  • の筈だ。

鬼イチヤン冒險記①

こうの史代(2009)『この世界の片隅に 下』双葉社. p132)

詳細は「冬の記憶(9年1月)」で触れるが、実は

  • すみは、身を寄せる草津の森田イトとは血の繋がりがあるけれども
  • すずは、すみや草津の誰とも血の繋がりはない。

鬼イチヤン冒險記①で隠された頁では

  • すずは草津に居る誰とも血の繋がりもなく
  • (すみや)皆とすずとを繋ぐ、十郎もキセノも、もう居ないのだから
    • 嘘をついてまで励まそうとしなくてもよい、もう来て欲しくない
      • と、すみはすずに告げたのだろう。

だから、森田マリナが訝しげにp133)「もう出かけるん 約束は夕方じゃろ?」とすずに尋ねるほど早くに、すずは草津を去ったのだ。

  • 鬼イチヤン冒險記①自体の方では
    • イカが登場するが、イカと言えば(すみを吐くだけでなく)あっという間の擬態が特徴だ。
      • すみの態度は、イカの擬態のようにあっという間に変わってしまった…
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